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2026年以降のEP申請時におけるCOMPASSの給与水準について
はじめに
Complementary Assessment Framework(通称:COMPASS)の給与水準について、先日MOMより改正が発表されました。今回の給与基準の改正は2026年1月1日以降の新規EP申請、並びに同7月1日以降のEP更新申請に適用されますので、参考にしていただければと思います。
COMPASSについておさらい
2023年より導入されたCOMPASSについておさらいすると、申請者個人・申請元企業の全6項目をそれぞれポイント化し、合計40点以上を獲得して初めてEmployment Pass(以下、「EP」)の新規・更新申請が提出できるという制度です。

給与ベンチマークの変更
COMPASSにてポイント化される6項目のうち、「給与」は、ローカルのPMETs(Professionals, Managers, Executives & Technicians)の給与調査に基づき給与ベンチマーク(ポイント獲得となる給与水準)が毎年改定されます。PMET従業員が25名未満の小規模企業については、C3「従業員の多様性」基準およびC4「ローカル従業員の雇用支援」基準の各項目で、自動的にそれぞれ10ポイントが付与されます。以下に いくつかの代表的な業種を抽出し、それぞれ23、30、40、45歳における給与ベンチマークを現行と今回の改定後で比較してみました。各業種、年代共に概ね上昇していることがわかります。
| 10ポイントの給与 | 23歳 | 30歳 | 40歳 | ≥45歳 | ||||
| 業界 | Year 2025 | Year 2026 | Year 2025 | Year 2026 | Year 2025 | Year 2026 | Year 2025 | Year 2026 |
| Air & Sea Transport | 5,350 | 5,837 | 7,115 | 7,665 | 9,637 | 10,276 | 10,898 | 11,582 |
| Banking & Other Financial Services Activities n.e.c. | 6,730 | 7,510 | 10,465 | 11,251 | 15,801 | 16,594 | 18,469 | 19,266 |
| Fund Management Activities | 8,285 | 8,917 | 11,918 | 13,030 | 17,108 | 18,907 | 19,703 | 21,845 |
| Info-communication Technology | 6,549 | 6,939 | 8,439 | 8,971 | 11,140 | 11,874 | 12,490 | 13,326 |
| Professional Services | 5,935 | 6,175 | 7,808 | 8,010 | 10,485 | 10,631 | 11,823 | 11,941 |
| Real Estate Services | 5,499 | 5,746 | 6,418 | 6,695 | 7,731 | 8,052 | 8,387 | 8,730 |
| 20ポイントの給与 | 23歳 | 30歳 | 40歳 | ≥45歳 | ||||
| 業界 | Year 2025 | Year 2026 | Year 2025 | Year 2026 | Year 2025 | Year 2026 | Year 2025 | Year 2026 |
| Air & Sea Transport | 8,458 | 9,335 | 11,570 | 13,061 | 16,015 | 18,383 | 18,238 | 21,044 |
| Banking & Other Financial Services Activities n.e.c. | 10,012 | 11,151 | 16,989 | 17,401 | 26,956 | 26,329 | 31,939 | 30,793 |
| Fund Management Activities | 12,573 | 12,474 | 22,722 | 21,401 | 37,221 | 34,154 | 44,471 | 40,530 |
| Info-communication Technology | 9,442 | 9,778 | 13,579 | 13,959 | 19,489 | 19,931 | 22,444 | 22,917 |
| Professional Services | 9,435 | 9,589 | 13,357 | 13,772 | 18,960 | 19,749 | 21,762 | 22,737 |
| Real Estate Services | 8,200 | 9,217 | 10,911 | 12,135 | 14,784 | 16,303 | 16,720 | 18,387 |
*各業種・各年齢における給与ベンチマーク変更の詳細については、MOMが公開している一覧をご参照ください。 MOM “C1 Salary benchmarks by Sector”: https://www.mom.gov.sg/-/media/mom/documents/work-passes-and-permits/compass/c1-salary-benchmarks-upcoming.pdf
全業種における給与ベンチマークの上昇傾向
現行のベンチマークと比較すると、10ポイントおよび20ポイントの給与ベンチマークはいずれの業種においても全体的に上昇傾向が見られます。20ポイントを獲得可能な給与水準は、過熱感がある金融セクターはベンチマークが下がっていますが、10ポイントを獲得可能なレンジは、大きく上昇している業種が多く見られます。今後も給与ベンチマークが上昇する傾向は続くと予想されます。
COMPASS免除対象給与額に変更はなし
月額給与がS$22,500以上のEP新規・更新申請は、COMPASS制度の適用を免除されます。 この点、現行から変更はありません。
EP申請最低給与額にも変更はなし
EP申請時、COMPASSの給与ベンチマークとは別に、EP申請の最低給与額を満たす必要があります。最低給与額は引き続き 23歳でS$5,600(金融サービス部門では S$6,200 )、45歳以上でS$10,700(金融サービス部門では S$11,800)とされています。この最低給与額の規定は、2025年1月1日以降の新規EP申請から適用されており、更新申請においては2026年1月1日以降から適用されます。
まとめ
ご覧いただいたように、改定後の給与ベンチマークは現行の水準と比較して概ね全ての業種、年代において上昇していることがわかりました。これは、各業種・年齢層のローカルPMETの給与額が全体的に上昇しているためです。EP申請者は、一般的にC1「給与」基準においてポイントを獲得するため、より多くの月額給与が必要となります。従って雇用主は、日本人を含めシンガポール国外の人材の雇用に当たり、より高い人件費予算を設定する必要が出てきます。ローカルPMETの給与額は次年度以降も緩やかに上昇し続けることが予想されるため、COMPASSのベンチマークのみならずEP申請の最低給与額もそれに応じて順次引き上げられる可能性が高いと考えられます。
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About the writer
片岡 宏将
【経歴】
静岡大学大学院人文社会科学研究科修了。2002年アタックス税理士法人に入社し、法人の税務顧問業務を中心に中小企業から上場会社まで幅広い法人を担当。
クライアントとの直接対話をモットーに、税務顧問、国際税務業務、税務コンサルティング業務等のプロジェクトマネージャーに従事。2019年5月よりASA Professionals Singaporeで、日本とシンガポール間における法人税や資産税にかかるクロスボーダー案件を担当。
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